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革素材|かばんの素材

革(レザー)素材のメリット・デメリット

ビジネスバッグの素材としてはナイロンに主役を奪われてしまった感はありますが、依然、革素材のビジネスバッグも高い人気があります。
革鞄が醸し出す独特の味わいや落ち着いた雰囲気はナイロン素材のビジネスバッグには決して作り出せないものがあり、使い込むほどに愛着が湧く革素材に魅せられる革鞄フリークも多いですね。
また仕事上である程度の役職や地位についた人は革製のビジネスバッグを持っていることが多いです。ナイロン製に比べて高価なものが多く、革鞄の持つ高級感は一つのステータスになっているのかもしれません。
革素材のメリット(長所)
・肌触りとその高級感
・手入れにより10年、20年と長く使える耐久性
・使い込むことによってより深まる素材の味わい
・エイジング(経年変化)の楽しみ
などが挙げられます。それに対して、
革素材のデメリット(短所)
・価格
・手入れが必要なこと。
・耐水性や防汚性
・ナイロン素材などに比べると重い
などがあります。
使い勝手や機能性を重視したビジネスバッグで使えるように耐水性や軽量性などの素材機能を改良した革素材も開発されています。

いろいろな動物の革素材

一言に革素材といっても、さまざまな動物の革や部位があります。下表に代表的な革素材の種類や特徴を紹介します。

動物の種類 革の種類 革素材の特徴
カーフ キメと繊維構造が細かく最高級の革素材
生後6ヶ月以内の仔牛の革(乳牛種のオスが多い)。
厚みが薄く柔らかい表面は滑らかで、銀面(表面)の発色がいい。生後間もないため傷が少なく、キメと繊維構造が細かく最高級の革素材。
さらに生後3ヶ月以内の仔牛の革はベビーカーフと呼ばれ、さらに高級素材として扱われています。
キップ カーフに次ぐ高級な皮革素材。
生後6ヶ月〜2年以内の中牛の革。
カーフより厚みがあり、柔らかさや滑らかさは多少カーフに劣るがその分、強度や耐久性は高い。
カーフ同様に仔牛のため、傷も少なめでカーフに次ぐ高級な革素材とされている。
カウ/
カルビン
ステアとならび代表的な革素材
生後2年以上の牝の成牛の革。
出産を経験した経産牛の革をカウと呼び、出産を経験していない未産牛の革をカルビンと呼ぶ。
厚み、キメ、丈夫さ、グレードはキップとステアの中間ぐらいとされている。カルビンの方がカウより高級とされる。
ステア 最も流通量の多い、ポピュラーな牛革素材
生後3〜6ヶ月の間に去勢され、生後2年以上経過した牡の成牛の革。
皮革素材の中で最も市場流通量が多い。単に「牛皮革」と表示されている場合は「ステア」である確率が高いです。
厚手で強度が高く、キメもそこそこ良く傷も少なめ、物量も多く価格的にもお手頃という、とてもバランスの良い牛革素材です。
ブル 分厚くて丈夫、無骨な牛革素材
生後3年以上経過した去勢されていない成牛の革。
去勢されていない雄牛は気性が荒く、喧嘩が絶えないため、傷も多い。牛皮革の中で最もキメが荒いが、厚くて強度は高い。
ホース 薄くて柔軟性に富む革素材
薄く、柔軟性のある革素材。牛革と比べると、銀面(表面)の繊維構造やキメが粗く、強度は低い。
馬は牛と違い、運動量が多く、やんちゃなので傷も多い。牛革とは違った艶や光沢は魅力。
また馬革は牛革に比べて流通量が少ないのも特徴です。
コードバン 革の王様、革の宝石とも呼ばれる希少素材
コードバンは、採取量の少ない重量馬の臀部(でんぶ)、お尻の部分の希少な革素材です。
空気も水も通さないほど繊維構造が緻密で強度が高い高級素材です。牛革の3倍の強度を持つとも言われています。
また、使い込むほどに光沢を増し、柔らかく馴染んでくる美しい革素材です。
ピッグ 日本で唯一自給できるコスパの高い革素材
革表面に3つに並んだ毛穴が特徴的で、その穴が全層を貫通しているため、通気性に優れています。
また軽く、耐摩耗性にも優れていますが、傷が多めで部位による革質のバラツキがあります。
スエードに仕上げた「ピッグスキンスエード」は人気が高い。
シープ/ラム しっとりとした触感が魅力の革素材
羊革のことをシープ、生後1年以内の仔羊の革をラムといいます。
キメが細かく薄くて柔らかい。しっとりとした触感が魅力。繊維構造が粗いために強度はやや弱い。毛付きのものは「ムートン」と呼ばれます。
山羊(ヤギ) ゴート/キッド 独特のシボが魅力の革素材
おとなの山羊革をゴートスキン、仔山羊の革をキッドスキンと呼んでいます。
独特の細かなシボが見られる銀面(革の表面)が特徴的です。羊よりも緻密な繊維組織を持ち、羊の皮革より硬くて耐摩耗性が高く、丈夫で弾力性があります。
キッドスキンはゴートスキンに比べて薄くて軽く、高価です。
駝鳥(ダチョウ) オーストリッチ 高級素材として珍重されている皮革素材
羽根を抜いた痕(あと)が丸く突起し、その独特の美しい模様が特徴。ワニ革と並び高級素材として人気がある。
柔軟性があり軽く、耐久性が高い。使い込むほどに手に馴染み味わいが出る。

「シボ」とは?

革素材でよく目(耳)にする「シボ」とは、漢字だと「皺(しわ)」と書き、革表面の不規則なシワ模様のことを指します。
革の部位や種類によってシボは細かかったり粗かったり、大きかったり小さかったりといろいろな表情があり、同じ部位・種類でも異なった表情を見せるシボを革の個性と捉えて、革素材の魅力に感じている方も多いです。

グラブタン・レザー

グラブタン・レザー
グラブタン・レザー

グラブタン・レザーは、アメリカのバッグブランド「COACH(コーチ)」の代名詞的な素材です。野球のグローブにインスパイアされて開発された高級革素材です。
もともと表情に味のある革素材ですが、エイジングもとても楽しみな革素材で使えば使うほど艶感と光沢を増し、何とも言えない深い味わいを醸し出します。
また、その耐久性には定評があり、鞄の修理屋さんが修理をしたことがないというほどの驚異的な丈夫さです。マイナス面は丈夫な分、少し厚手で重いという点です。

COACH(コーチ)のビジネスバッグ取扱オンラインストア

エイジングするとどんな感じになるのか知りたいという場合は、ヤフオク!などで販売している中古品が参考になります。
ただし革製品のエイジングは使われた環境や条件などによって、その表情は大きく異なってくるので、あくまでも参考として見るのがいいでしょう。また複数の中古品を見比べてみるのもいいと思います。